相続サポートデスク  よくある質問と答え

よくある質問と答え

ご資産の相続に関してお客様からよく寄せられるご質問とその答えを公開しています。

Question:

借地権はどのように相続すれば良いですか?
また、名義変更料は掛かりますか?

Answer:

借地権の相続では、分割協議書で借地権の相続人を決めて、地主に通知したうえで、建物の相続登記を行うのが一般的です。

この場合、法定相続人が相続するのであれば、名義変更料は掛かりませんが、相続人ではない人へ行う遺贈は、無償譲渡とみなされて地主の承諾および名義変更料が必要となります。

信頼関係を元に構築されている地主と借地人との関係は、相手方が変わることに一定のリスクがあると考えているのです。確かに法定相続人であっても人物そのものは変わりますが、個人に貸している以上は相続が発生することを承知で貸しているので名義変更料は請求できません。

他方、遺贈の場合は、全くの第三者へ遺すこともできてしまい、地主は縁もゆかりもない人がいきなり借地人となるリスクがあるので、承諾するかどうかを検討し、名義変更料を請求することができます。

Question:

借地権は更地にして返す義務がありますか?

Answer:

借地人から中途解約をする場合は、原則として更地にして返還する必要があります。

但し、借地契約の満期に合わせて更新をせずに契約が終了する場合には、地主に対して建物を時価で買い取るよう請求することができます。これには、建物本体価値に立地的な価値も考慮されるものとされています。

解体費を負担しなければならないマイナスから、一気にプラスに転じることができる手法ですし、売却のように買主を探す必要もありません。

まだまだ期間が残っていて、建物が使用も賃貸もできない場合で、早々に地代の負担を回避したい場合は、地主と話し合ってみるべきでしょう。

Question:

建物を解体すると土地が売りやすいのですか?

Answer:

基本的には関係ありません。

あまりにも崩れそうな建物が残っている場合や、更地の方が広く見える地形などでは、そのような効果がないとは言えませんが、不動産業者の「売却を急がせたい」作戦である可能性もありますので、慎重にご判断ください。

また、一般的な住宅が建っている土地を更地にした場合は、固定資産税が6倍程度高くなります。その評価基準日が1月1日なので、先行して解体するならばなるべく年末よりは年始に更地にしたほうが良いでしょう。

Question:

相続した土地を売って遺産を分ける方法はありますか?

Answer:

換価分割または代償分割という方法があります。

換価分割とは、お金に換えて分割するものであり、複数の相続人で相続したあとで、共有者が共同売主となって売却し、その残余金を持分で分けるという手順です。持分通りに分けやすい反面、全員が売主として売買契約に関わったり、譲渡所得の申告をしなければなりません。

代償分割とは、一部の相続人が不動産を相続する代わりに、他の相続人にお金を支払うことで分割する方法です。

不動産を相続した人は、いくらで売るかも自由に決められますし、最も税優遇のある同居相続人などが単独で相続することもできますが、仮に売れなくても他の相続人にお金を支払わなければなりません。

また、不動産のように定価のない財産の価値をいくらとして代償金を決めるのか、ここで揉めてしまうケースもあります。

Question:

私道も相続しなければいけませんか?

Answer:

相続しなければなりません。

道路とはいえ私道も財産の一部になっている以上は相続しなければなりません。所有するリスクは大きくありませんが、私道の利用者より工事のための承諾書を求められたりすることがあります。

他の道路へ通り抜けている場合は、行政へ寄付して移管することができるかもしれません。
移管できない場合は、私道に面する地権者へ譲渡する方法があります。

Question:

父が亡くなり、相続人は子供2人です。遺言はありませんでした。法定相続分は2分の1ずつのはずですが、長男側が依頼した税理士が送ってきた書類では、不動産等はほとんど長男のもので、妹である私には、200万円程度の現金のみという内容でした。これに応じなければならないのでしょうか?

Answer:

応じる必要はまったくありません。法定相続分が2分の1ずつとなっているため、不動産や株式、預貯金などすべての遺産を含めた2分の1相当額を遺産分割の対象として要求することができます。相手方が選任する税理士や弁護士のいうことが正しいと信じて書類を交付してしまうことはとても危険です。

まずは、別の弁護士に相談し、どのような法的な権利があって、実際にどのような交渉をして、どの程度の遺産を求めることができるのかを確認するべきでしょう。

実際、本件の事案では、弁護士が直接交渉の窓口をさせていただき、それでも著しく低い相続分しか譲歩してこなかったために、遺産分割の調停を家庭裁判所に申し立てました。

調停では、不動産の価格の算定方法や、従前長男が父の預金から不透明な高額の預金引き出しをしていた事実、長男夫婦が父の所有する不動産に何十年も無償で居住していた事実などを有利に主張し、結果として2500万円ほどの遺産を現金で受け取ることで和解をしました。

このように、当初提示額から10倍以上も異なる結果となることは稀ではありません。

遺産分割協議書や、委任状などの重要な書類を捺印してしまうまえに、一度専門家にご相談することを強くお勧め致します。